この記事を簡単に言うと
・お家騒動でゴダゴダしている“クックパッド”に関して、その状況が四季報で解説がされいる。

・直近では、社外取締役候補にコンサル会社マッキンゼー・アンド・カンパニー出身のキャリア経営コンサルタント、伊賀泰代氏が選任されたことに賛否の声が上がった。

・今年の株主総会の参加者は半減。
その要因として、同社の総会のちょっとした名物になっていた「お土産」が廃止されたことも挙げられるだろう。
それに加え、「株主総会中の撮影・録画・録音・およびSNSへの投稿はご遠慮ください」と、念を押す記述も見られた。

・創業者・佐野陽光氏と当時社長だった穐田氏の経営方針をめぐる対立が表面化したのは、2015年秋。

・クックパッドの直近の通期決算(2016年12月期、国際会計基準)は、売上高168億円と26%の増収となったが、営業利益は21%減の50億円に落ち込んだ。

・昨年1年間では、キッチン小物通販の「セレクチュア―」や、休日おでかけ情報サイト運営の「ホリデー」など、子会社・グループ会社14社を売却。
今期は2015年にグループ化した結婚式場口コミサイト運営「みんなのウエディング」の株式を3月に売却している。

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お家騒動でゴダゴダしている“クックパッド”に関して、四季報で解説がされています。
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「酷いものだった。すぐにでも(所有する株を)売ろうと思った」――。
3月23日に開催された、レシピサイト最大手・クックパッドの定時株主総会。
閉会を待たずに会場を後にした男性の株主は、そうつぶやいた。

1年前に勃発した“お家騒動”の影響で、社長交代、経営方針の大転換、子会社の大量売却と、混迷ぶりが際立つ同社。
直近では、社外取締役候補にコンサル会社マッキンゼー・アンド・カンパニー出身のキャリア経営コンサルタント、伊賀泰代氏(覆面の人気ブロガー、ちきりん氏の“中の人”として広く認識されている)が選任されたことにも賛否の声が上がった
一方で、ここ数年の業容拡大を牽引してきた穐田誉輝(あきた・よしてる)前社長は取締役を外れ、同社の経営から完全に退くことになった。


1年前には1株2000円を超えていたクックパッドの株価は、足元では1000円を割り込み、2014年来の低水準まで落ち込んでいる
この先、クックパッドはどこへ行こうとしているのか。
経営陣のコメントに注目が集まった総会だったが、冒頭の株主は「われわれに対する誠意が感じられなかった」と話す。

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(ちきりん氏こと、伊賀泰代氏)


■お土産は廃止、録音・SNSの実況禁止
クックパッドの本社が入居する恵比寿ガーデンプレイス内、ザ・ガーデンホールで開催された今年の定時株主総会には、313人の株主が出席した。

昨年の657人から参加株主が半減した要因には、同社の総会のちょっとした名物になっていた「お土産」が廃止されたことも挙げられるだろう。
昨年まではお茶漬けセットやパンケーキミックス、同社発刊のレシピ本など、料理に関連するお土産が振る舞われたものの、今年は「総会に出席できない株主様との公平性を勘案して」廃止する旨が、3月初旬に送付されている株主招集通知に記載されていた。

一方、今回の総会で株主一人ひとりに渡されたのは「NOTICE 株主総会運営事務局からのお願い」と書かれたペーパーだ。
携帯電話や喫煙に関する注意事項が記されているのに加え、「株主総会中の撮影・録画・録音・およびSNSへの投稿はご遠慮ください」と、念を押す記述も見られた。

総会は定刻通り10時に開始。
監査・事業報告と決議事項の説明が終わると、12時8分の散会まで2時間近く質疑応答が続いた。
30人の株主が質問に立ったが、複数回にわたり強調されたのは、昨年来の騒動や経営に対する“不信感”だった。

「去年のようなことは2度と起こさないでほしい」
「去年のことを思い出すと腹が立ってならない」
「ああいうことがあると3年くらいでダメになるのでは」


株主から出たこれらの指摘は、ちょうど1年前の3月24日、株主総会終了後の夜に突如、穐田氏の社長退任が発表されたことを追及するものだ。

創業者・佐野陽光氏と当時社長だった穐田氏の経営方針をめぐる対立が表面化したのは、2015年秋
翌2016年の1月には、筆頭株主(約44%を保有)の佐野氏が自身を除く全取締役の刷新を求める株主提案の実施を表明した。

クックパッドは2月、佐野氏の提案を一部取り入れた取締役選任案で合意したと発表、一応の和解があったと見られた。
だが、3月24日の夜、新社長への就任が発表されたのは、マッキンゼー出身の岩田林平氏だった。
これに市場はネガティブに反応し、翌日、クックパッドの株価は前日比で13%も急落した。

一連の騒動についての株主の意見に、岩田社長は「改めてお詫びしたい」とし、現経営体制で国内外のレシピ・料理関連ビジネスに邁進していく旨を語っている。

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■「今後10年間は投資フェーズ」
クックパッドの直近の通期決算(2016年12月期、国際会計基準)は、売上高168億円と26%の増収となったが、営業利益は21%減の50億円に落ち込んだ
最大の収益源であるレシピサイトの有料会員数は拡大した一方、海外事業の組織改編などに伴う減損35億円が発生し、営業利益が削られてしまった。

2017年12月期はどうか。
一時的な減益要因となった減損は大幅に縮小する見込みだが、これまでのような力強い利益成長が実現するとは考えづらい。
会員事業に次ぐ収益柱である広告事業では、ユーザーの利便性を高めるため配信枠を削減することで収益の伸びは抑制されそうだ。
人員についても、本社社員約200人(海外込みで約250人)のところ、エンジニアやデザイナーの採用を年間200人程度まで加速することも計画。
実際にそれだけ採用できるかは不確かだが、人件費や採用関連費は膨らむだろう。

同社はまた、今後レシピ・料理関連の事業を集中的に育成するために、穐田前社長の敷いた多角化路線からも転換を進めている。
昨年1年間で、キッチン小物通販の「セレクチュア―」や、休日おでかけ情報サイト運営の「ホリデー」など、子会社・グループ会社14社を売却。
今期は2015年にグループ化した結婚式場口コミサイト運営「みんなのウエディング」の株式を3月に売却している

過渡期にあることを強調するためか、同社の決算説明資料には、「短期・中期の利益や市場の反応よりも長期での市場創り、それぞれの市場での圧倒的ナンバーワンのポジション作りを優先」「柔軟な意思決定を行っていくため 将来のコミットメントにしばられる経営は目指さない」という旨が明記されている。

総会で出た「中期・長期の経営計画は作らないのか」という質問に対しても、「今後10年間は投資フェーズ」(岩田社長)と話したうえで、世界各国のレシピサービスが当社に注目しているため、戦略をオープンにするのは得策でない点、また競合が動画サービスやインスタグラムなどのSNSにも広がっており、戦略は随時見直していく必要がある点を強調した。


■不安は解消しないまま
岩田社長の経営能力について、「穐田さんと比較し、どう自己評価するか」と問う声も上がった。
岩田社長は、「この時点で評価することは控えたい。(穐田氏と自分では)求められているものが違う。料理分野に特化して世界展開していくには、自身が適任だと思っている」と答えている。

岩田社長の説明には納得できる部分もある。
だが、少なからぬ株主に“不満顔”が浮かんでいたのも事実だ。

今回初めて同社の総会に参加したという女性株主は、「何が起こっているのか、これからどうなるのか、質問に対する答えで不安が解消したとは言えない。このまま株を持っていていいのか、もう一度ゆっくり考えたい」と話し、いつもはすぐに捨ててしまうという事業報告書を大事そうにしまっていた。

終始緊迫感が漂ったクックパッドの株主総会。
株主に対し、明瞭な成長戦略を示せたとは言いがたい。
失った信頼を回復するのにはまだ時間が掛かりそうだ



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