この記事を簡単に言うと
・20代で隠居生活した大原扁理さんの生き方・考え方がとても参考になるので紹介。 ・ITや株で儲けてアーリーリタイアとかという、経済的に恵まれた経歴ではない大原さん。愛知県三河地方の田舎町に生まれ、ごくフツーのサラリーマンの父と、「貧乏」と「借金」が口ぐせの母に育てられた。 ・高校卒業後、生活費を稼ぐためのアルバイトを。くる日もくる日も図書館で借りた本を読んだり、映画を観たり、料理と作ったり、掃除をしたり、寝たり起きたり。そんな生活を3年間。 ・人に会わなさすぎて、口から言葉が出てこなくなった危機感から、世界一周の放浪へ。 帰国後、東京にでも引っ越しをし、一人暮らしを始める。 ・今現在は週に2日ほど介護の仕事をして月収7万円で生活。しかし、困っていることや不満に感じていることはない。 |
何かと忙しくて精神的に参ってしまう現代社会。
多忙すぎて人生に行き詰っている人は、20代で隠居生活した「大原扁理」さんの生き方・考え方を参考にしてみるといいですよ。
20代で隠居生活を始めた「大原扁理」さんとは?
20大で隠居生活を始めた「大原扁理」さんとはどのような人なのか?
それを理解する為には、大原さんの著書である
・年収90万円で東京ハッピーライフ【電子書籍】[ 大原扁理 ]
・20代で隠居 週休5日の快適生活 [ 大原扁理 ]
を一読してみることがおすすめです。
時間がない方は本の冒頭の“はじめに”を読むだけでもOKです。
以下は、「年収90万円で東京ハッピーライフ【電子書籍】[ 大原扁理 ]」の“はじめに”から引用しながらまとめたものです。
みなさんどうもはじめまして。
大原扁理と申します。
人はあまりわたしのことを知りません。
なぜかというと、「隠居」してるからです。
私は20代で世を諦め、あんまり働かなくなり、いまやほとんどの人間に関わっていないんです。
いいえ、ITや株で儲けてアーリーリタイアとかという、経済的に恵まれた話ではありません。
宝くじも当選してなければ、親の遺産もない。
でもちゃんと生きてます。
詳しくは前著「20代で隠居 週休5日の快適生活 [ 大原扁理 ]」という本に書いてあるのですが、わたしを知らないほとんどの方のために、ちょっと自己紹介させてください。
わたしは愛知県三河地方の田舎町に生まれ、ごくフツーのサラリーマンの父と、「貧乏」と「借金」が口ぐせの母に育てられました。
割れたガラス窓は段ボールで塞ぐけど、毎日食べるものぐらいはある、それくらいの平凡な低所得者層出身です。
幼い頃から空気を読めず、周囲と話を合わせられず、社会や集団行動が辛くて辛くて、なんで他のみんなは辛くないんだろう…と悩み、なんとなーく奇異な目にさらされながら、なんとか高校卒業までこぎつけました。
大学に行かせてもらえるような雰囲気は家にはないので進学は諦め、かといって就職するのもなーと思ってたら、クラスメイトは全員しっかり卒業し、それぞれの旅路を歩いていってしまいました。
もともと何かに追いつくのが苦手で、いろいろ遅れ気味ではありましたが、このときから本格的にわたしの「乗り遅れ人生」が始まったように思います。
でも、いざ乗り遅れてみたらこれがめちゃめちゃ楽しくて…ここは楽園かと思いましたよ。
高校卒業後、わたしは私生活で他人と会うのを一切やめました。
金は空から降ってはこないので、生活費を稼ぐためのアルバイトだけはしてましたが、それ以外の時間はぜーんぶ趣味につぎこみました。
くる日もくる日も図書館で借りた本を読んだり、映画を観たり、料理と作ったり、掃除をしたり、寝たり起きたり。
携帯ももちろん解約しちゃって、たまたま家電にかかってきた遊びの誘いも全部断って。
楽しい!ほぼひきこもり生活!
それで気が付いたら3年も経っていたんです。
もう毎日毎日楽しくて、ハタチを過ぎたことも気づかなかったくらい。
でもそんな幸せな生活は永遠に続きませんでした。
そろそろ外に出ないとあかんじゃないのか?と思ったのは、人に会わなさすぎて、口から言葉がでてこなくなっちゃったからです。
深海には、光が届かないから目が必要なさすぎて退化しちゃった魚がいますけど、使わない機能って本当に衰えるんだなーと、初めてビビったわたし。
アルバイトのマニュアルはすぐに口をついて出てくるんですけど、マニュアル以外の言葉がマジで出てこない。
どうやって答えていいのかわからん。
やばい。どうしよう。
ということが続き、でもひきこもり楽しすぎるしなー、でもしゃべれないってさすがにやばいよなー、よし、ここはちょっと、ひとりで世界一周してこよ!
となったわけです。
いやー、根は引きこもり気質だから、今、目の前に100万円積まれて世界一周行ってこいったって、お金だけネコババして断りますよ。
でもあのときは、それぐらいの荒療治をしないと、本気でしゃべれなくなるんじゃないかと危惧したんです。
あんまりお金を使わない生活をしてたので、100万円くらいは貯金もありました。
親も最初は反対してたのに、結局さいごには、なけなしの選別を10万円もくれました。
で、行ってみたら、それはそれでまあ楽しくて。
行く先々で住み着いてみれば本を読みあさり、もちろん100万円弱の貯金じゃ足りないので、テキトーに仕事もしてました(←違法です)
観光にもまったく行かず、せっかくニューヨークに行ったのに、自由の女神がどこにあるのかも知らない。
マンハッタンにステイしてたのにミュージカルも観ていない。
ただ地元のデリや図書館で、地元人のように生活をするだけで楽しかった。
わたしって、どこにいても同じようなことしてるんだなー。
ロンドンにも住みついちゃった。
ここでは日本人の大学教授と出会い、チャイナタウンでごはんを食べながら終バスまで話したことがありました。
博学なんで話していると面白いんですよね。
この時の話題が、古~い文学から映画、音楽、そこから宗教や輪廻転生(りんねてんせい)のことまで、自分の中にそんなストイックがあったのか!とビックリしたものです。
もちろん、だいぶ話を合わせてくれていたに違いないのですが、これは明らかに引きこもりの果実だと思った。
人生であんなに本を読んだこと、ないもの。
ひきこもったって、それが吉と出るか凶と出るかは、いっぱい生きてみないとわからないもんだなあ、なんて思ったことでした。
楽しかったロンドン生活を終え、世界一周航空券の期限ギリギリまでアジアをまわって帰国。
そしてわたしは再び華の引きこもり生活へカムバックを果たしたのです。
本当、何も変わっていない。
ていうか、なんで海外とかいったんだっけ?
ただ、自立してひとりで気ままに暮らす楽しさはしっかり覚えました。
これは何物にも変え難い。
よし、もう実家はいいや、ちょっと東京にでも引っ越そう!
東京に引っ越してみたら、物価(特に家賃)の高さにめまいがしました。
杉並区のシェアハウスに毎月なんだかんだで7万円以上払っていたんですから。
コレ、今の私の月収ですよ。
7万円もするとこに住まなくてもいいんですけども。
もっとフツーでいい、フツーで。
それで、生きるのにあんまりお金がかからない場所を求めて、東京西部の多摩地区に引っ越しました。
家賃は半額以下の2万8千円に…これが同じ東京でしょうか?
忙しすぎる仕事も辞めました。
もっとフツーの生活を求めて、仕事を調整しながらだんだんヘラ氏、使うお金も工夫してヘラ氏、そうしてだんだん20代半ばぐらいから、今のような週休5日の悠々自適生活に落ち着いていきました。
とはいえ、昔からこんな能天気な人間だったわけでもありません。
フツーの人と同じように、悩みもあったのです。
今ふりかえると、それも現在の生活スタイルや考え方に明らかに影響しているように思います。
たとえばわたしには、もともとお金や格差に対するネガティブな感情がありました。
多感な年ごろになると、どうやらクラスメイトというのはわたしよりもお年玉のケタが多いとか、ピアノや最新のゲームを買ってもらえるとか、携帯代を親に払ってもらえるとか、学校帰りにファミレスに行くとか、家族で海外旅行に行けるとか、私立の学校に当たり前のように行けるらしい、そんなことばかりが気になってくるものです。
生まれた環境が違うだけで、なんで諦めなければいけないのか。
その怒りがたまって、一時狂ったように万引きしまくっていたことがありました。
もちろんバレて親に殴られ、「こんな家に生まれたくなかった」と言ったら、翌月からお小遣いが6千円ぐらいに跳ね上がっていました。
ただでさえ自分が生まれてお金がかかって申し訳ないのに、月に6千円ももらったら家が潰れてしまう!
本編(年収90万円で東京ハッピーライフ【電子書籍】[ 大原扁理 ])でも書きましたが、わたしが中学を卒業した次の日から即アルバイトをはじめたのはこういう理由だったのです。
もう格差とか関係ない、お金のあるなしと無縁な暮らしがしたい…
わりと早く実現しましたけどね(笑)
もうひとつは、母親が大酒飲みということです。
ウィスキーの業務用4リットル瓶を常備しており、まず起き抜けに1杯。
昼は完全にできあがるので、今でも用事のあるときは朝イチで電話をかけるのがポイントです。
あるとき帰宅したら、飲酒運転で隣の家に車ごと突っ込んでいるところに遭遇。
驚いて表に出てきた隣の人に「警察呼ぶわよ!」と怒鳴っていました(←お前が言うな!)
わたしはこういうふうになってはいけない、と反面教師にするしかなく、現在のストイックな生活が身に付いたのでしょう。
結果良ければすべてよし…と思わないとやってられませんよ、まったく。
どんなこんなで、現在は適度に社会と距離を置き、週に2日ほど介護の仕事をして、たまたま友達とも会ったりして、のんびに生きています。
お金もモノも地位もない質素倹約生活だけれど、これはこれで、まあ楽しいもんです。
これは、社会的成功から乗り遅れまくったら、不幸になるどころか毎日楽しすぎて、ジョーシキ(常識)っていったい何だろう、進学しなきゃいけないとか、就職しなきゃいけないとか、結婚とか子育てとか老後の蓄えとか、資格も技能もマナーもテレビもスマホも友達も、なくても生きていけものばっかじゃん。
もー自分しか信じないもんね。
何が幸せかとか、自分できめちゃうもんね。
おならぶーだ。という本です。
せっかく世の中に乗り遅れちゃったことだし、わたしの体験が少しでもみなさんのお役に立つことがあれば、ちょっと嬉しいかもしれません。
大原扁理さん出演 動画「HELLO WORLD」の隠居生活ってどんな感じ?
本を読んでいる時間がない人は“「HELLO WORLD」の隠居生活ってどんな感じ?”の動画を見ると良いでしょう。
前編と後編で約1時間弱のラジオ収録時の動画なんですが、これを見れば大原扁理さんを理解できます。
HELLO WORLD」の隠居生活ってどんな感じ?(前編)
-隠居生活ってどういう部分なんですか?-
大原さん 分かんない時は広辞苑引くんですけど…
(調べてみたら)色々5つくらいあったんですけど、江戸時代の制度の名称だったりするんですが、一番現代の“隠居”に近い定義って、「職を辞めるなど、世間から身を引いて、気ままに暮らしている」これが一番今近いでしょう。
-自由に生きるって部分で、“フリーター”との違いは?-
大原さん 意識的に“社会”と距離を置くことを努めています。
漫然とバイトとかしているだけだと、“隠居”じゃないのかなって思いますけどね。
-大原さんの隠居生活の1日を読み上げていこうと思います-
大原さん はい、お願いします。
【大原さんの一日】
朝6時 起床
冷たーい水で顔を洗い、ほっぺたをバシバシ叩く
そして、窓を開けて換気
日が出ていれば朝日を浴びる
6時半 ラジオ体操
朝食にご飯、みそ汁、漬物を食べたら、朝の自由時間
日記を書いたり、洗濯、掃除、読書などをして、昼食を自炊
午後 散歩をしたり、野草を摘みに行ったり
午後5時 何も予定がなければ夕飯、もちろん自炊
夜ご飯を食べたらお風呂に入ったり読書などをして、ヨガをしたら就寝時間
「おやすみなさい」っていう一日です
-(今は)どんなお仕事を?-
大原さん 週に2日、介護の仕事をしています。
それ自体は普通の介護で、特に特別なことでもないし、普通の仕事なんですけど。
それを2日するとだいたい1ヶ月暮らせると。
-週2日で月8日でしょ?隠居できる生活の1ヶ月の生活費ってどれくらい?-
大原さん えっと…家計簿普段付けないんですけど、この本を書くために付けたんですよ。
そしたら、だいたい7万円くらい…
-1ヶ月の収入が7万円(笑)-
大原さん 家賃は2万8000円、東京多摩地区に住んでいます。
ワンルームでバス・トイレついてます。
「たまにおいでよ(笑)安いよ(笑)」
食費は1万円くらいだったと思いますねぇ。
結構いいもん食ってるんですよ(笑)
あと何に使ってるんだろう…
交通費…でもだいたい自転車で行ける範囲で生活しているので。
-外食、というか贅沢とかそういうのはしない?-
大原さん いや、してますけどね。
月にだいたい1度は日帰りで温泉に行ったりとか。
(「温泉にっ!?、日帰りだといくらかかるの?」)
4000円か5000円あれば行けますよ。
(在来線乗り継いで)1時間半くらいかな。
電車乗ると結構いい温泉あるんですよ。
-最近のお気に入りは?-
大原さん 最近は結構遠い所に行っちゃったんですけど…
近郊だと…“鶴巻温泉”かな。
-っていうことは、7万円で十分生活できるってことなんですね?-
大原さん んー、はい!
-今、大原さんは週休5日で隠居生活をされているとのことなんですが、多くの人がされている週休2日で働いたこともあるみたいですね-
大原さん ありますあります!
上京する前に派遣で働いていたことがあるんです。
その時は週に5日とか、忙しいときは6日とか。
で、繁忙期の時は(1日)12時間とか働いていたので、しんどかったですよねー。
このペースでずっと働き続けて、やりたいこともできなくて、勘定したら怖くなっちゃって…それで辞めちゃいましたね。
-今やりたいことってどんなこと?-
大原さん それがねー、隠居生活してみたら、あんまないんすよね(笑)
(「アハハハ(笑)」)
-隠居生活をしてて、良かったこと、良くなかったというかそうでもないなぁってことは?-
大原さん んー…
これが当たり前になっちゃうと、いいも悪いもねぇ…
-そういう思考回路すら考えなくなっちゃいますよね-
大原さん そうですねー。
-色んなプレッシャーからは解放されるのはあるよね-
大原さん ああー!そうですねー!
隠居しているんで、携帯も持っていないですよ。
(だから)SNSもやってないですし、家なんか駅から徒歩20分以上だし。
そうするとどうでもいい人が勝手に離れていってくれて。
だから、わたしじゃなくてもいい用事で呼ばれることもなくなるんですよ。
すごい嬉しいです(笑)
-でも、1人の時間が長くなると寂しくない?-
大原さん ならないんですよね(笑)
(「ならない!(笑)アハハハハ(笑)」)
-今現在、困っている事とか不満はない。でもこれから30代40代50代と生活していくわけですよね。その先々に向かっていく時の不安は?ずっとこのまま隠居で行こうと思っている?-
大原さん いやー、どうですかね。
ここまでくると隠居にもこだわっていないというか…
2、3年後隠居しているかどうかわからないです。
HELLO WORLD」の隠居生活ってどんな感じ?”(後編)
-これから隠居生活をしたい!という方にアドバイスをして頂きたいんですが…一番大事なことって何かなっていうことを伺っていきたいんですが-
大原さん (隠居生活に向いている人に関して)
これはもう一人でいることが好きって言う人ですね。
自分も大好き、一人も大好き。
あと、時間が永遠にあるので、退屈しないクリエティビティーというかどこからでも遊びを作れるというか、そういう思考回路の人とか。
あと、楽観的と言うのも大事ですねぇ。
あとは貧乏生活が苦にならない人、これくらいですかね。
-今の項目にいくつくらい該当すれば隠居できますかね?-
大原さん いやーどうですかね、一人でいるのが好きってのは絶対ですね。
-隠居生活を続けていくコツは?-
大原さん あんまり冒険とかしないんで…
起伏は作らないし、変化も求めない。
向上心とか目標を持たない方がわりと隠居できる気がしますね。
わたし、夢とか目標とか持ったことがないですし、向上するよりは現状維持の方が好きですし。
それでもいいと思っている節がありますね。
それも選択の一つというか。
-これから先、自分の価値観を180度変えるような、またいい話(本の出版を受けて)が舞い込んでくる可能性があるわけじゃないですか。仮にそうなった場合は、今の生活から抜ける可能性もある?-
大原さん あると思いますよ!
さっきも言いましたけど、元々目的がないですから、隠居生活を目指していたわけでもないんですよ。
そしたら、結果的に隠居になっていたというか。
だから隠居にベクトルを置いてるわけでもないし。
-一回隠居生活してみるのもいいかもしれないね-
大原さん してみてもいいんじゃないですかね。
週末隠居でいいんじゃないですか。
携帯切って。
-隠居生活を始めて何年経ちます?-
大原さん 5年ですかねぇ~。
でも、より要らない物を処分したり、身辺整理したりとか。
-若い頃から隠居生活をしてみて、見えきたこととか感じてきたこととかあるんですか?-
大原さん 隠居生活は結果的にしているんですけど、これがベストとは思っていないので…
良い事…
何かあるのかなぁ…
持論がないからなぁ…
(「無理に結論を出す必要もないよ」)
-隠居生活を一回経験してみた方がいいよ、って思う時とかあります?-
大原さん いやー…
私からは何とも言えないです!
-一回全部の生活を、仕事やってるのも辞めてってなると、決断としては大きい区切りとなるでしょうから、誰にもかんでもとは言えない。
けど今の生活に疑問だったりとか、疲れを感じている人、あとは目的意識が見付からない人に、週2日の隠居生活みたいな。
そういう生活もアリかもしれないですけどね。-
大原さん そうですね。
週末山に籠ったりとか。
プチ隠居みたいな。
でも、隠居してもしなくても、自分でこれでいいって思える所でやっていくしかないじゃないですか。
良い悪いっていうのはないのかなぁ…
20代で隠居 週休5日の快適生活 [ 大原扁理 ]
年収90万円で東京ハッピーライフ【電子書籍】[ 大原扁理 ]
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