この記事を簡単に言うと

・DIAMOND onlineの記事にて、ホリエモンこと堀江貴文氏と株式会社メドレーの代表取締役医師・豊田剛一郎氏による対談記事が掲載されていたので紹介。
テーマは“日本医療が「治療から予防」へ舵を切れない理由”。

・記事では5つのセクションについて対談が行われている。
予防医療が日本では本流になりづらい理由
大腸がん、増える日本と減るアメリカのシステムの違い
健康意識がバラバラな人たちが全員同じ保険制度の中にいる違和感
インターネット医療への変革期に差し掛かっている
近い将来、日本の医療は劇的に変わる


・予防医療が日本では本流になりづらいのは、保険点数が病気にしか付かないから。(豊田氏)

・大腸がんはアメリカでは減っているが日本は増えている。
なぜかというと、大腸内視鏡検査を定期的に受けると保険料が安くなるから。(堀江氏)

・同じ会社なのに健康に対して意識の高い人もいれば、暴飲暴食して病気になった時のことを考えない人もいる。
そういう人たちが同じ保険制度の中にいる。
おかしな話だ。(豊田氏)

・診断の部分は最後までオンライン化が進みづらい。
高血圧などは予防医療の範囲なので、診断ではない部分をオンライン化することで、意識が高くなって継続して診断を受けてくれる人が増えていくのではと期待している。(豊田氏)

・他国はだいたい予防のための受診義務がある。
予防医療は医科と歯科の連携が必要。
歯周病は万病の元だからだ。(堀江氏)


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DIAMOND onlineの記事にて、ホリエモンこと堀江貴文氏と株式会社メドレーの代表取締役医師・豊田剛一郎氏による対談記事が掲載されていたので紹介したいと思います。
テーマは“日本医療が「治療から予防」へ舵を切れない理由”
元医療従事者である私にとって、大変興味深い内容となっています。
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昨年、予防医療普及協会の立ち上げに携わり、『むだ死にしない技術』を上梓するなど、日本の医療業界に警鐘を鳴らすホリエモンこと堀江貴文氏。
遠隔医療の先駆けとして、オンラインで閲覧可能な病気事典や通院システムを確立した株式会社メドレーの代表取締役医師・豊田剛一郎氏。
まったく違う畑のスペシャリストである両者だが、医療に対する見解はほぼ共通している。
未来を見据えた医療・健康のあり方を対談で語ってもらった。



■予防医療が日本では本流になりづらい理由

豊田 私は医師としてずっと疑問に思っていたことがあります。
ほとんどの医師は、病気に興味があって予防医療に興味がないんです。

堀江 僕も前から不思議に思っていたんですが、それってなんでそうなっちゃったんですかね。

豊田 まず大学などで病気のことしか習わないんですよ
病気を治す、つまり「治療する」のがカッコイイみたいな風習を感じざるを得ません。病気を防ぐ「予防」に関してはまだ本流ではないのかなと思います。

堀江 なかには予防接種を頑張っている医師もいますよね。
感染症対策とか。消毒するようになったのも、割と最近じゃないですか。
こうやって予防に注力していた人たちが多くの命を救ってきたにも拘らず、それが本流じゃないのは本当に不思議。

豊田 ほとんどの人が大学を卒業すると、大学病院や大きな病院に配属されます。そこで診察して、治療して、患者さんから「治りました。ありがとうございます、先生」と言われる。
それが医療だと思ってしまうんですよね。
やっぱり、予防医療の対象は元気な人じゃないですか。
ある種のやりがいみたいなものを感じられにくいのが現状なのかもしれません。

堀江 なるほどね。「やりがい」「感謝」の問題もあるけれど、それ以上に問題を感じていることがあって。
僕は予防医療普及協会を立ち上げたんだけど、エビデンス至上主義者みたいな人たちにめっちゃ攻撃されるんですよ。

豊田 それは堀江さんたちがやっているピロリ菌に関する事業ですか?

堀江 そう。例えば、ピロリ菌を除菌して胃がんが減るのか。
何十年間も統計を取らないと確実な効果とは言いづらいから、完璧な結果というかほぼ100%のエビデンスがないとダメ、みたいな。
でもそれを待っていたら、それで救える人がいるのにあと30年とか待つのかって話。

豊田 そうですね。他に私が疑問に思っていることで言えば、国民皆保険制度についてですね。
保険点数は病気にしか付きません。
予防接種も出産も病気じゃないから自費なんです。


堀江 僕、それ全然知らなかったんですよ。
予防医療普及協会で幾つかやろうと思っていることの中で、婦人科の先生に話を聞く機会があって初めて聞いたんです。
あとそれでいうと、ピロリ菌の検査って「ラピラン(R) H.ピロリ抗体スティック」というキットで尿検査をやっています。

これは妊娠検査薬と同じで誰でも簡単にできるのに、医師以外は使っちゃいけないんですよ。
妊娠検査薬は薬局で買って自分でやっていいのに、ピロリ菌検査はダメ
妊娠は病気じゃないけど、ピロリ菌がいるということは病気の診断につながる
だから病気の診断は医師しかできないという理屈。
やっていることは一緒なのに、意味分かんないですよね。


■大腸がん、増える日本と減るアメリカのシステムの違い

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豊田 アメリカは国民皆保険じゃない。だから「行ける病院は限られるけれど、安い保険でよい」だったり、反対に「高い年間保険料を支払う代わりに、どこの病院でも行ける保険に入りたい」というふうに皆、自分で選ぶんです。
そこで医療にどうやって向き合うのか毎年考える状況になる。
病院や薬の広告も沢山流れてきますよ。

そういうのに触れていると「病院ってどうやって選んだらよいのか」を常に考え続けるんです。
日本って「健康」というワードは好きなのに、対義語である「病気」に対しては目を背けがちだと思います。

堀江 僕は、オバマケアの話って日本ではだいたい賞賛されるけど、それってちょっと違うよねって思ってる。
自由診療を基本とするアメリカで、オバマケアによって日本の皆保険制度のように、必ずどこかの公的医療保険に入らなきゃいけなくなった。
でもそこに医療リテラシーは全くなくて。

しかも意外と保険料が高いんですよね。

一方日本の医療でいうと、医師はブラック労働だと思っている。
皆保険制度はそのブラック労働に支えられている面もあるんだけど、僕は絶対おかしいと思っていて

そんなことで皆保険制度を維持するくらいなら、もっと保険料高くて良いから休ませてあげてって思う。

豊田 その代わり万全のコンディションで手術をするということですよね。
私も脳外科だったので徹夜明けの手術も普通にありましたし、それは全国的に同じことが言えると思います。

堀江 絶対嫌だもん。
徹夜明けの脳外科医の手術なんて。

予防医療の観点から海外との違いをいうと、一番典型的なのは大腸がんの予防で、アメリカは罹患率が減っているが日本は増えている
大腸がんの原因は欧米型の食生活だと言われるけれど、アメリカは毎日ステーキやハンバーガー、なのに減っている。

なんでかっていうと、単純に大腸内視鏡検査を定期的に受けると保険料が安くなるから。

2年に1回、内視鏡検査を受ければ確実に大腸がんの罹患率、死亡率は下げられます。
日本は大腸がん検診には便潜血反応が使われているけれども2割弱しか受けていない。
内視鏡検査を受ける手前ですでに意識が低いんです。





■健康意識がバラバラな人たちが全員同じ保険制度の中にいる違和感
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堀江 日本は国民皆保険と言いながら、別々の保険に入っている。
国民健康保険、協会けんぽ、団体ごとの保険組合があって全部違うし、管轄も違う。

豊田 本来、健保組合は予防医療を推進しなければいけない団体なんですが、本格的に予防に取り組んでいる健保は少なかった。
それが最近になって変わってきていると聞きます。

堀江 それは健保組合が追い込まれてるからでしょうね。
昔からある健保組合は、高齢化が進んで病気になる人が増えてきているから。

豊田 皆がバラバラなんですよね。
同じ会社なのにすごく健康に対して意識の高い人もいれば、暴飲暴食して病気になった時のことを考えない人もいる。
そういう人たちが同じ保険制度の中にいる。
本来は変な話ですよ。

個人の意識単位で選ぶ仕組みがあっても良いとずっと思っています。

堀江 でも日本で主流の考え方はそうじゃない。

豊田 そうなんですよね。

堀江 健康に対して意識が低い人たちも、手厚いケアを受けられるべきだという意見が多いですよね。
でも、意識の高い人たちに日本の予防医療は支えられているんだけどね


例えばインフルエンザの予防接種にしても、みんなやらない。
やらないから感染したり、症状が重くなったりして迷惑をかける。
毎年ワクチンを作るためにプラントを維持しなければならないんだから、毎年受けている人が大事なんです。

豊田 日本は国民一人ひとりが医療リテラシーをもっと上げる必要があるなと感じます。


■インターネット医療への変革期に差し掛かっている

堀江 遠隔医療について話すと、まだ始まったばかりの業界だけど、結論として最終的には「窓口」ができる気がする。
駅前にネット診療などを代行してくれる場所ができるような。
どこまで規制緩和されるかにもよるんだけどね。

保険がまさにそうだったんですよ。
保険はもともとネットがスタート。
比較サイトのビジネスモデルができて、最終的に保険の窓口ができた。
保険を買うような人たちは窓口に行きたい。
検索したら一瞬で分かるようなことも、エキスパートに聞く方が早いと思っちゃうんでしょうね。

豊田 「選ぶ」っていう時に自分一人の判断というより、詳しい人に背中を押してもらったりサポートしてもらいたいっていうのがあるんでしょうね。

堀江 病気の診断はインターネットでできますよね?

豊田 ある程度はできると思います。
ただその責任を誰が持つのか、セルフで行うのかという問題が出てきますね。

堀江 セルフでやった人は自分で責任を持つんですよ。

豊田 そうです。その覚悟がある人はそういう流れになるでしょうね。

堀江 僕、今まで自分で調べた結果と医師に調べてもらった結果って、そんなに変わらないんですよね。

豊田 それは堀江さんだからですよ(笑)。
予防医療と診断と通院は「医療」で一括りにされてしまうけれど、全く別の性格を持っている。
診断の部分は最後までオンライン化が進みづらい部分です。

高血圧とか生活習慣病は予防医療の範囲なので、こういった診断ではない部分をオンライン化することで、意識が高くなって継続して診断を受けてくれる人が増えていくのではと期待します。

堀江 それは難しい部分ですね。
例えば糖尿病だったら、先天性以外は技術的に防げるじゃないですか。

豊田 日々の心がけとかですよね。

堀江 それもあるし、副作用が少なく糖尿病の症状を改善させる薬など、今は良い薬もたくさんできている。
それから血糖値のモニタリング。
医療リテラシーの高い人は毎年血液検査くらいはします。
安易なソリューションがあるのに、モニタリングをしない、自分の血糖値を知らない。そういう人たちはこれから先、もっと楽なソリューションが出てきても動かないんじゃないかと思う。
だから受動的な仕組みを作るべきだと思うし、そうしないと医療費も下がらないと思うんですよ。

豊田 ある程度義務化する必要はあると思います。
いつでもどこでも安価に病院を受診する権利があるんだったら、健康を保つ義務があっても良いはず。

堀江 そうなんですよね。
日本の義務は保険料を納めましょうというくらい。


■近い将来、日本の医療は劇的に変わる
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豊田 これだけ国がお金を使って、いつでも病院に行ける国って日本くらいしかないです。

堀江 他国はだいたい予防のための受診義務がありますよね。
予防医療は医科と歯科の連携が必要。
歯周病は万病の元です。
例えばドイツは歯周病を予防するために歯科に行って歯のクリーニングをしないと保険が適用されなくなるんですよ。

豊田 それが義務ですよね。
予防接種で考えてもそうですね。
タミフルを保険適用とするなら予防接種を受けることを義務化する方が、ロジックとしては成り立っている。

堀江 自然と楽しく予防できるシステムができるといいなと思いますね。それがファーストステップ。

豊田 インターネットは良い手段ですよね。

堀江 これから医療技術はすごく進む。
そういうのをタイムリーに発信することが大事。
多分10年やそこらで病気になりそうな指標は全部モニタリングされると思いますよ。

尿とか血液で結構どんな健康状態かが分かるじゃないですか。
それに色々な人たちがアプローチしている。
トイレに付けるデバイスを作っている人もいる。
それに対してどう治療するかも、クラウドとセンサーがつながる。
AIはそれを診断するのも得意分野だと思う。

豊田 病院の外、手前でどこまでが医療かをもう一度見つめ直さなければいけない時期に来ていますね。

(DIAMOND online 2017年3月16日)



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